「親子でゲームをやってみよう」ゲームは子育てのツールになる!

著書(子育て)
補足

内容は、ブログ用に一部省略しています。

はじめに

ゲームについて親がまず気になるのは、子供にとってゲームは良いものか? 悪いものか? ということと思います。

「ゲームを与えるべきか」、「与えても大丈夫なのか」、または子供がゲームに夢中になっている場合は「今の状況をどうとらえるべきか」、そのようなことを考えるとき、ゲームについての意見を求めたくなります。

私も最初はゲームが良いものか? 悪いものか? ということだけに注目し、調査や研究等を参考にしようと思いました。

しかし、実際に子供と一緒に一年間ゲームをしたところ、「ゲームの仕方」や「ゲームの種類」を無視してゲームの効果を検討してもあまり意味がないことが分かりました。

私はいつも息子と一緒にゲームをしていますが、自分の仕事を一人で集中してしたいため、一時的に息子だけでゲームをしてもらいたいと思うことがありました。私が抜けると、毎回息子はコントローラーを私のところに持ってきて、参加するように言ってきました。二人でしないと面白くないようで、一人でゲームをするなら攻略本を見ている方が良いようです

当然ですが、子供にゲームを与えるだけでは、このような状況にはなりません。ゲームは使い方によって、コミュニケーションのツールにもなるのです。そして、ゲームを有効に使うためには、「ゲームの仕方」や「ゲームの種類」についての知識が必要になります。

本書では、まず、サンドボックスゲームがどのようなものか説明した後、私が実際に息子とサンドボックスゲームをして、気付いたことを紹介します。また、「ゲーム」をコミュニケーション等のためのツールとして有効に「使う」ために必要な、ゲームのメリット、デメリット等についても説明します
そして、親子でゲームをするための適切な環境や、ゲームの選び方、楽しむためのコツを紹介します

親子の楽しい時間は子供にとって一生大切です。また、面白いことに興味を持って時間を忘れて夢中になることも、夢を持つために必要なことです。

ゲームは進化し続けています。本書を読むことで、ゲームを知ってもらうこともできます。そして、実際に親子でゲームを楽しんで有意義な時間をすごしていただければ幸いです。

第1章 息子とゲームをして気付いたこと

サンドボックスゲームの可能性

本章では、サンドボックスゲームとはどのようなものか説明した後、私が実際に息子とサンドボックスゲームをして、気付いたことを紹介します。

また、「ゲーム」をコミュニケーション等のためのツールとして有効に「使う」ために必要な、ゲームのメリット、デメリットについても説明します。

サンドボックスゲームとは、「ミッションやストーリーが用意されておらず、自らが目標や目的を見付け楽しんでいくゲーム」のことを言います。サンドボックス(砂場)という名称から、3Dの空間でそれぞれが作りたいものを作って遊ぶという印象を持ってしまうかもしれません。私は最初そう思っていました。

サンドボックスゲームはストーリーが用意されていませんが、ストーリーが存在しないということではありません。例えば、私と息子でゲームしているとき、子供が動物に興味を持ったなら、私は二人で動物園を作る提案をします。動物園を作るには、動物を集めたり、エサをあげたり、柵やいろいろな道具が必要になります。それを二人で集めようとすれば、二人で沢山の場所に行く必要が出てきます。山を越え、海を渡り、気が付いたらどこにいるか分からなくなり、サバイバル生活が始まるかもしれません。そうやって親子だけのストーリーが作られていきます。つまり、親子でサンドボックスゲームをする場合、ストーリーを作るのは親なのです

そして、主人公は子供です。親の役割は、子供が何に興味を持つか常に気にかけ、面白くなるための方向付けをし、手助けをすること。

ストーリーが用意されていないということは、子供がゲームに入りやすく、自由にストーリーを作れるということです。

親は子供のためにストーリーを作り、子供が喜ぶのを見て嬉しくなります。その気持ちは、いつかきっと子供に伝わると思います。

私は以前、ゲームは時間の浪費と考えていました。でも、ゲームを有効に「使う」ことができるということを知り、「ゲーム=時間の浪費」という考え方はゲームを深く知らない人のもの、という認識に変わりました。ゲームは使い方によって、現実の世界の様々なことに役立てることができます。難しくてできないことも、ゲームにより難易度を下げ、実現可能なことに変えることもできるのです。

私が実際に息子とサンドボックスゲームをして思うことは、親子でゲームをすることから得られるメリットは沢山あるにも関わらず、それがまだ世の中で知られていないということでした。それは、ゲームを親子のコミュニケーションのツールとして使うということがまだ一般的ではなく、深く検討がされていないからかもしれません。

これから、具体的なメリットを一つ一つ紹介していきます。

子供と接する時間が増えた

気持ちを共有できる

成功体験を見守ることができる

本に興味を持ってくれた

ゲームは「ごっこ遊び」だった

ゲームを制限できる

子供がゲームをしない方が良いという根拠について

ゲームについて親がまず気になるのは、子供にとってゲームは良いものか? 悪いものか? ということと思います。

「ゲームを与えるべきか」、「与えても大丈夫なのか」、または子供がゲームに夢中になっている場合は「今の状況をどうとらえるべきか」、そのようなことを考えるとき、ゲームについての意見を求めたくなります。

私も最初はゲームが良いものか? 悪いものか? ということだけに注目し、調査や研究等を参考にしようと思いました。

しかし、実際に子供と一緒に一年間ゲームをしたところ、「ゲームの仕方」や「ゲームの種類」を無視してゲームの効果を検討してもあまり意味がないことが分かりました。

最近では、ゲームに対して肯定的な意見が書かれている育児本もよく目にしますが、ゲームを完全に否定するものもあります。私が読んだものに限定されますが、批判している文章からは著者がゲームに詳しいとは思えず、根拠となるエビデンスも「ゲームの種類」「ゲームの仕方」において、十分検討されているとは思えないものばかりでした。そもそもゲームについての経験と知識がなければ、研究結果を選んだり、評価したりすることは難しいと思います。

ゲームを否定する意見は「ゲームをさせる=子供にスマホを与えて勝手にゲームがし放題の環境にすること」という認識になっていることが多いように思います。当然、そのような使い方をした場合、親子のコミュニケーションは薄れると思います。

暴力的になるのではないかというものもありますが、それは「ゲームの種類」によります。「第3章 ストーリーを作る」の「敵の存在」で説明しますが、ストーリーを作るには敵が重要になります。そのため、ゲームといえば攻撃するというイメージが一般的にあるのかもしれません。

ゲームはハマるようにできているから、夢中になって当然であって、創造力等が必要な他の遊びの方が良いという意見もあるかもしれませんが、実際にはサンドボックスゲーム等創造力を磨くことができるゲームは存在しています。

私は、「ゲームの仕方」や、「ゲームの種類」は選ぶべきだと思います。「ゲームの仕方」や「ゲームの種類」の前提条件がないのであれば、肯定も否定もできません。それらにより、メリットもデメリットも全く変わってくると思うからです。

私はいつも息子と一緒にゲームをしていますが、自分の仕事を一人で集中してしたいため、一時的に息子だけでゲームをしてもらいたいと思うことがありました。私が抜けると、毎回息子はコントローラーを私のところに持ってきて、参加するように言ってきました。二人でしないと面白くないようで、一人でゲームをするなら攻略本を見ている方が良いようです。

当然ですが、子供にゲームを与えるだけでは、このような状況にはなりません。ゲームは使い方によって、コミュニケーションのツールにもなるのです。

ここまで説明してきた通り「ゲームの仕方」や「ゲームの種類」は重要ですが、それに関係なくゲームは子供にとってデメリットになりえるものもあるとは思っています

ゲームに限定されませんが、ディスプレイ(テレビ)に向かうことで、視力が低下する可能性があるというのは、ある程度説得力があります。ディスプレイから適切な距離を取ることが重要と思います。長時間プレイするのは目に良くないですが、親子でするならそれほど長時間にならないと思います。

ちなみに、私は裸眼ですが、ゲームをしますし、PCのディスプレイに向かう仕事を二十年近く続けています。気を付けていたことは、テレビやPCディスプレイから十分に距離を取ることと、机に向かう時は姿勢を良くすることです。

本やネットの記事を読むと、ゲームに関する一番多い悩みは、子供がゲームに夢中になって勉強等をしなくなるということのようです。これに関しては、ゲーム自体が悪いというより、子供にとって夢中になれるものが出てくると、大人が必要と思うことをやってくれなくなるということが問題と思います。私の息子はまだ5歳で、やめる時間になったらすぐやめてくれますが、小学生以上になると、夢中になりすぎるかもしれないと思っています。ただ、どちらにしても、これから大学生になるまでゲームに完全に触れないようにすることはほぼ不可能です。

実は、私は小学生、中学生の時、ビデオゲームに夢中で、勉強は全くしていませんでした。でも、高校生のとき自らゲームを制限して、現役で大学受験に成功して、新卒で希望の職種(システムエンジニア)に、就くことができました。そして独立した後は、仕事の幅を広げるために税理士を目指し、超難関資格の税理士の試験勉強を、短時間で終わらせることができたのです。

私のゲームに夢中になるという体質は全く変わっていません。ゲームに夢中になっている期間は、勉強の時間を作ることはできません。なので、ゲームを制限している期間は、意識してゲームを全くしないようにしています。

ゲームに夢中になる体質の場合、ゲームを制限できるのは、自分自身だけと思います。そして、制限する必要があると考えるのは夢や目標があるからだと思います。私の親は、それを持ち続けられるように私を育ててくれました。

親にとって、大切なのは子供が幸せになれるように導くことと思います。そのためには、物を与えたり、奪ったりする必要があるかもしれません。ただ、それは子供が幸せになれるように導くための手段の一つでしかなく、常にその方法が適切とは限りません。

また、ゲームがここまで普及した今日においては、「ゲームは良くないもの」と親が判断したとしても、子供からゲームを奪うことは困難です。したがって、ゲームのメリット、デメリットは、ゲームをツールとして有効に使うことに役立てていく方が建設的と思います。

私は、ゲームに夢中になれるということは、今後強みになる可能性が高いと思っています。

ゲームはプログラミングの学習で使われたり、多くのコミュニティができたりといった、建設的な面があります。

また、「ゲーミフィケーション(gamification)」と言われる、ゲームの要素を現実の世界に取り入れて、勉強や仕事のやる気を高めるということも実際に行われています。

ゲームの多くは、ゲームデザイナーによって夢中になるように作られていますから、それを勉強や仕事に応用させれば、現実の世界で、楽しみながら効率を上げることができるというものです。「ゲーミフィケーション」の考え方が知られるようになり、すでに多くの書籍が存在しています。

ゲームの要素を現実の世界に生かすという考え方は、今後、教育の分野等で重要になる可能性があります。

ところで、今の子供達が大人になって活躍する時代はどのようになっていると思いますでしょうか。私たちが子供のころ生涯安定していると思われていた職業は、現代では堂々とリストラが行われたり、AIに仕事自体が取られるとまで言われたりしているものもあります。先の事は誰にもわかりません。いつか人口の半数がゲームの制作者になるということも、ありえます。今正しいと思われている教育方針が、子供が大人になった時も正しいと思われているかは、分からないのです。

でも、親子の楽しい時間は子供にとって一生大切ですし、面白いことに興味を持って時間を忘れて夢中になることも、夢を持つために必要なことです。

ゲームから得られるもの

ここでは、育児から一旦離れて「ゲーム」というものを考えていきます。

一般的に、趣味の多くは、ただ楽しいというだけでなく、継続的に打ち込むこと等により本人次第で自分を成長させるものにもなると認識されています。しかし、世間ではゲームに対して、マイナスのイメージが強いように思います。

確かにゲームの種類によって得るものは違ってくると思います。最初からストーリーがあるロールプレイングゲームの場合は、プレイヤーが主人公になって、そのストーリーを楽しみます。映画や、小説と同じで、創造力が必要なのは制作者側に偏ります。
今日においては、コンピューター技術の進化により、複雑なサンドボックスゲームが出てき始めました。ゲームは、映画のように制作したものをただ楽しむだけではなく、自分自身でストーリーを作る等、様々な楽しみ方ができるようになったのです。つまり、ゲームから得られるものは、プレイヤー次第になってきているということです。

ゲームより勉強や仕事の方が建設的なので、ゲームをしない方が良いという意見もあるかもしれません。その考え方はゲームのある一面しか見ていないと思います。私は、自分を仕事や勉強が趣味という状態にもすることができますが、それは、ゲーム等夢中になれることをしながら、なぜそれを自分が楽しいと感じるかを考えてきたからです。

私は超難関資格の税理士の試験勉強を、短時間で終わらせることができました。しかも、楽しみながら勉強することができたのです。

何を楽しいと感じるかは人それぞれであり、自分で見つけるしかありません。そして、時間を忘れて夢中になれることからしか見つけることはできないと思います。それを見付ければ、自分がどうなれば幸せになれるか、知ることができます。また、目標を達成するためのプロセスを、どうすれば楽しめるか考えることもできるようになります。

親子でゲームを始めよう

本章で、サンドボックスゲームの概要と、親子でゲームをすることのメリットを紹介してきました。

これらのメリットの多くは必ずしもゲームでないと得られないというわけではありません。しかし、ゲームをコミュニケーション等のツールと考えた場合、とても有効なツールであることが分かっていただけたと思います。

実際にゲームを使いこなしてみましょう。これから、親子でゲームをするための適切な環境や、ゲームの選び方、楽しむためのコツを紹介します。


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